大証「日経225ミニ」活況…個人投資家に人気
上場1年取引高8倍
大阪証券取引所が国内で初めて個人投資家向けに商品設計した株価指数先物「日経225mini(ミニ)」が、18日で上場1年となる。今月に入って1日の平均取引高は前年同月の約7・8倍に達し、「予想以上の伸び」(米田道生社長)をみせている。インターネット取引の普及、長引く新興市場の低迷などを背景に、個人投資家の新たな運用先として認知度が高まっているようだ。
(白櫨正一)
■ネット普及
ミニの6月の取引高は前月比1・9%増の343万2476単位で、2か月連続で上場来最高を更新した。88年から取り扱っている主力の「日経225先物」は、6月の取引高が259万6430単位で前月比19・4%増と好調だが、取引高ではミニが3か月連続で上回った。
人気の背景には、インターネット取引の普及がある。ミニは「主に短期的な値動きを追って売買する」(ネット証券)ため、ネット取引に適しているとされ、取引の5割近くを個人投資家が占める。ミニ取引で業界最大手の松井証券は「少ない資金で効率的に運用できるので投資手段の一つとして関心が高まっている」と分析する。
■新興市場離れ
「長引く新興市場の低迷で、個人投資家がミニに流れた」(オリックス証券)との指摘もある。
2006年1月の「ライブドアショック」に端を発した新興企業への不信感は個人投資家が新興市場から離れる動きにつながった。同年7月に上場したミニは、上場株式の取引と違って、単一の株価指数の動きを対象とするわかりやすさと価格が下落しても利益が得られるのが特徴だ。運用先を探していた投資家には魅力に映ったようだ。
■リスクも
大証のミニ取引の活況が契機となり、他の取引所も個人投資家向けの商品に力を入れている。東京工業品取引所は、従来の金の取引単位を小口化した「金先物ミニ取引」の取り扱いを17日に始めた。東京証券取引所も「ミニTOPIX先物」の上場準備に入っている。
問題点も浮かんでいる。大証には最近、投資未経験の高齢者から「ミニの取引を始めたい」との問い合わせが目立ち始めたという。
預けた証拠金の数十倍の取引ができるだけに、損失が膨らむリスクもある。大証は「初心者が安易に始めるのは避けたほうがいい」と説明しており、今後は証券会社と連携し、無料セミナーや勉強会などを開いてPRを強化する。
平均株価が指標…小口化 買いやすく
(2007年7月18日 読売新聞)
■「日経225mini(ミニ)」の仕組み
Q 日経225ミニと日経225先物の違いは。
A ともに大証に上場し、日経平均株価を対象にした先物取引で、取引単位を日経225先物の10分の1に小口化したのがミニだ。
Q 取引の特徴は。
A 将来の日経平均株価を株式のように市場価格で売買できる。価格が上がると予想すれば買い、下がると判断すれば売りから入ることもできる。価格が下落しても利益を得られる。
Q 取引金額は。
A 日経平均株価の100倍を最低取引単位(1枚)に設定し、ミニの価格が1万8000円だと180万円が取引金額となる。ただし、実際に180万円が必要となるわけではない。
Q 必要な資金は。
A 証券会社に預ける証拠金(担保)が必要で、ミニ1枚につき10万円程度だ。ただ、損失が発生した場合は、追加で証拠金を求められる場合がある。証拠金が不足すると取引が継続できない恐れもあり、元本も保証されていない。
Q 具体的な取引例は。
A 仮に10万円の証拠金を預け、ミニ価格が1万8000円の時に1枚買い、1万8500円に上昇したので売ると、差額の500円を100倍した5万円が利益だ。逆に1万7500円に下落して売った場合、5万円の損失となる。
